エンジニアとして働く人の中には、副業で収入を得られないか考えている方もいるのではないでしょうか。

エンジニアが副業に取り組むなら、本業の経験を生かせるものがおすすめです。ただし、副業には収入を得られるメリットだけでなく、デメリットや注意点もあると理解しておきましょう。

この記事では、エンジニアが副業でできる仕事や副業案件の探し方、注意点などを解説します。

エンジニアの副業にはどのようなものがあるか

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副業にはさまざまなものがありますが、エンジニアが効率よく副業収入を得たいなら、仕事の経験を生かせるものがよいでしょう。平日の夜や休日に時間を作り、エンジニア系の案件を受注するのがおすすめです。

限られた時間で成果を上げなければなりませんが、副業のために新たに学習したり下調べしたりといった手間がなく、自宅に開発環境が整っていれば初期費用もかかりません。

また、エンジニアとしての実務経験を生かして、スクール講師やWebライター、IT・DX関連のコンサルタントになる方法もあります。

ここからは、主な副業の仕事内容について詳しく見ていきましょう。

小規模なシステム開発

エンジニアとしての自分の経験を生かせる副業として、個人で取り組める小規模なシステム開発を受注する方法があります。小規模事業者が使う業務ツールやアプリの開発、またはリプレースなどの案件が考えられるでしょう。

クライアントの要望をしっかりヒアリングし、システムに反映させる必要があるため、エンジニアとしてのスキルだけでなくコミュニケーション能力も重要です。

本業で携わる開発案件とは異なるタイプの仕事ができる機会にもなり、エンジニアとしてのさらなるスキルアップも期待できます。

プログラミングスクールの講師

現役エンジニアとして現場の状況を理解し、実践的な教え方ができるなら、スクール講師の副業はおすすめです。

近年プログラミングの需要が増えていることから、プログラミングスクールも増加し、講師ができる人材にも需要があります。スクールによっては「現役エンジニアが指導する」といったアピールポイントを掲げているケースもあるでしょう。

プログラミングスクールは、働きながら学習する人向けに、平日夜や休日の授業を実施しているところもあります。リモート授業を採用するスクールも多いので、自宅に居ながらの指導も可能です。

講師同士のつながりもでき、職場関係者とは違う人脈を広げるきっかけにもなるでしょう。

IT系のWebライターやディレクター

エンジニアの仕事とは少し内容が離れますが、知見を生かしたWebメディア記事の執筆やメディア運営といった副業もあります。エンジニアとして経験したこと・学習したことを文章化すれば、自分の知識も定着し、成長につながるでしょう。

また、多くのWebメディアで採用されているWordPressは、PHPやHTML、CSSによって作られています。エンジニアとしてこれらの知識やスキルがあると扱いやすくなり、サイトの構築を含めてメディアの制作に関われるでしょう。Web制作やサーバサイド系のエンジニアであるなら、うってつけの副業といえます。

ITコンサルタントやDXコンサルタント

エンジニアとしての知識や経験を生かして、企業のIT化やDX推進をサポートするコンサルタント業務を副業にする方法もあります。

経済産業省も企業のDX化を推進しており、デジタル技術・IT技術による業務効率化に関心を寄せる企業も増えています。しかし、新しい技術を導入するには何が必要なのか、どのような手順を踏むべきか分からない企業も多く、思うように進んでいないのが現状です。

こうした背景から、ITコンサルタントやDXコンサルタントの仕事も需要があります。エンジニアとして現場で働いている人材なら、コンサル先でも「現場を知る人材」として受け入れられやすいでしょう。

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エンジニアが副業案件を探す方法

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エンジニアが副業を探す場合、知人からの紹介のほか、SNSでの営業やクラウドソーシング、エージェントサービスの利用といった方法があります。

知人からの紹介

仕事を紹介してもらえる人脈がないと難しい方法ですが、安心して案件を見つけられる方法です。

せっかく副業案件を見つけても、クライアントとのコミュニケーションが上手くいかなかったり、過剰な修正要求や報酬の未払いといったトラブルが発生したりすると、余計な手間がかかります。

知人からの紹介であれば紹介者の信用にも関わるため、めったなことがない限り悪質な案件や問題のあるクライアントは紹介されません。日頃からエンジニアとして副業の受注もしている旨を伝えておき、仕事をお願いしたいと思われるように周囲の方との信頼関係を築いておきましょう。

SNSを使った営業

SNSでの情報発信や交流が盛んになっている昨今では、SNSを通して仕事を受注するケースも少なくありません。得意言語や開発経験を明記し、副業案件を探している旨の発信をしておくと、仕事の相談が入る可能性もあるでしょう。

なお、SNSで営業活動をするなら、事前に実績をまとめたポートフォリオを用意する必要があります。副業案件を募集する際に実績をまとめたポートフォリオも一緒に掲載するのがおすすめです。

ただし、SNS経由での案件では、どのような相手から依頼が来るか分からない部分もあります。安易に受注せず、依頼者の情報も確認したうえで受注し、信用できる相手か見極めることが重要です。

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クラウドソーシングの利用

クラウドソーシングサービスには様々な案件が集まるので、自分に適した案件を見つけやすいと言えます。

報酬を受け取る際に手数料が差し引かれますが、利用登録や案件の獲得は基本的に無料。開発言語や報酬額、工数などから希望に添ったものを選べるのが最大のメリットです。

クラウドソーシングで案件を探す際は、報酬額が適正であるか、クライアントのプロフィールや直近の発注実績に問題がないかを確認し、契約後のトラブルを未然に防ぎつつ判断しましょう。

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エージェントを利用

エージェントサービスにも、特定の職種に特化したものや副業・フリーランス向けの案件を扱うものなど、さまざまなサービスが登場しています。

クラウドソーシングと同様に登録は無料ですが、案件は各自の経験やスキルに合わせたものを紹介されるため、誰でも望んだ仕事を受注できるわけではありません。

しかし、エンジニアとしての実績が既にあるなら、信頼できるクライアントからの仕事を紹介されやすく、営業活動の手間を省けます。エージェントを利用するクライアント側の身元もはっきりしており、問題発生時にはエージェント側が間に入ってくれる場合もあるので安心です。

効率よく質のよい案件とマッチングできるので、副業をしたいエンジニアの方におすすめの方法と言えます。

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エンジニアが条件のよい副業案件を受注する方法

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条件のよい副業案件と出会うためには、実績を積み、適正価格で案件を受注しなければなりません。具体的な方法について、詳しく見ていきましょう

経験・スキルを身につけて実績を作る

条件のよい副業案件を受注するには、本業での開発経験やスキル、実績が重要です。

需要のある開発言語やフレームワークを学び、意欲的にハイレベルな案件へ挑戦していきましょう。本業で経験している範囲の業務に携わるのも良いですが、異なるジャンルや言語の開発案件にも応募してみると成長につながり、アピール材料となる実績を増やせます。

また、エンジニアとしての自分の価値を高められれば、副業だけでなく本業での評価アップも期待できます。

低単価案件の受注を控える

副業をはじめたばかりのころは、低単価な案件でも経験を増やすために受注する場面があるかもしれません。しかし単価の低い案件は、経験として得られるものが乏しく、実績としてもいまひとつになることが多いです。

案件の内容を精査し、見合った単価・難易度の業務を選んで取り組んでいけば、ステップアップに応じて好条件の案件と出会いやすくなるでしょう。

副業案件が豊富なエージェントを活用する

エンジニア向けの案件を紹介してくれるエージェントにも、さまざまなタイプがあります。

希望職種や使用言語だけでなく「休日のみ稼働」や「週1~3日稼働」「フルリモート」といった、副業に適した案件を多く扱うエージェントを活用し、効率よく案件を探しましょう。

一つのエージェントに絞るのではなく、いくつかのエージェントに登録しておけば効率的に案件を探せるのでおすすめです。

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エンジニアが副業するメリット

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エンジニアが副業をすると、短期間での収入アップや実績作り、新たな人脈開拓といったメリットがあります。

収入を増やせる

副業では報酬を受け取れるため、本業に加えて副収入が得られます。「今より収入を増やしたい」という動機で副業を始める方も多いでしょう。

本業で収入を増やすには、仕事で評価されて昇給や昇進するしかなく、その機会は年に1度というケースがほとんどです。一方、副業をすればいつでも本業以外からの収入が得られるため、短期間で収入を増やせる可能性があります。

本業だけでは経験できない実績が作れる

会社勤めのエンジニアでは会社のクライアントからの案件や会社がメインで扱う業種の開発が中心になります。したがって、同じような分野の案件ばかりを経験する結果になるでしょう。

特定分野を深く習得する機会がある反面、変化に乏しく、視野が狭くなる部分もあります。副業で本業と異なる分野の案件に挑戦できれば、視野が広がるだけでなく、新たな実績も増やせるので、今後のキャリアアップも目指せるでしょう。

新しい人脈が広がる可能性もある

副業案件の受注を通じて、新しい人脈ができる場合もあるでしょう。案件の評価が良ければ、クライアントが新しい仕事を紹介してくれる可能性があります。

職場関係者以外のエンジニアと繋がりを持ち、本業では得られない刺激を受ける機会が得られれば、自身の成長にも役立つでしょう。

また、IT業界は人材が流動的で、慢性的な人材不足でもあります。優秀なエンジニアは様々な企業が欲するため、好条件の転職先を探したり、将来的な独立の目途が立ったりする好影響も見込めるでしょう。

エンジニアが副業をするデメリット

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メリットの多いエンジニアの副業ですが、デメリットもあると理解しておきましょう。本業や私生活とのバランスを考えて、副業に取り組む必要があります。

休日や自由時間がなくなる

副業によって収入は増えますが、そのために使う時間も増えるので、休日が潰れるのも珍しくありません。仕事のあとは同僚と飲みに行ったり、家族でゆっくり過ごしたりできた時間も、副業に充てることになります。

私生活や人間関係に影響する可能性もあるので、ライフワークバランスを考えて無理なく取り組める範囲に留めましょう。

負担が増える

副業案件であっても、報酬を受け取って仕事をする以上、責任は発生します。副業で受けた仕事だから、納期に間に合わなくても、システムに不具合が発生してもよい、ということはありません。

責任を持って仕事を受けるとなれば、副業の受注によって物理的にも精神的にも負担は増えるでしょう。しかし、疲労が貯まった状態では正しい判断ができず、業務効率も低下します。

さらに、副業で受けている仕事は営業活動や経理処理、税務処理といった本業では必要のない業務にも向き合わなければなりません。

加えて、クライアントとの間にトラブルが起きれば対応しなければならず、さらに負担が増えてしまいます。エージェントによってはエンジニアが仕事に専念できるよう、経理面のサポートやトラブル発生時に間に入ってくれることもあるので、上手く活用したいところです。

エンジニアが副業をする際の注意点

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エンジニアが副業をする場合、会社の就業規則に違反しないか確認し、スケジュール管理にも注意を配りましょう。また、副業で得た収入の額によっては、確定申告をして納税する必要があります。

会社の就業規則で副業が禁止されてないか確認

憲法上は「職業選択の自由」があるため、副業が違法になることはありません。しかし、会社の就業規則として「副業禁止」としている会社は少なくありません。

会社側が禁止する背景としては、仕事量の増加によって社員の心身に悪影響を及ぼさないか、本業の妨げとならないかといった懸念があります。

ほかにも、業務上で知り得た情報を副業に流用し、会社に損失を与えないかといった心配もあるでしょう。たとえば、会社がいつも仕事を受けている得意先から、副業として個人で仕事を受注されてしまうケースです。

副業をするなら、後々会社とトラブルにならないよう注意し、勤め先に不利益を与えないように就業規則にも注意しましょう。

本業や生活に支障が出ないようスケジュール管理を徹底

副業の仕事に手を取られてしまい、本業の業務がおろそかになるのは問題です。同時に、本業が突然忙しくなったからといって、副業で受けた案件に支障を来すわけにもいきません。

副業に時間を費やした結果、家族や友人知人との交友関係に影響する可能性もあるでしょう。

トラブルや人間関係の問題が発生しないよう、確実に対応できる仕事量や工数を把握し、無理なく進行できるスケジュールを組んで副業に取り組むことが肝心です。

副業で得た収入によっては確定申告が必要

副業収入が年間20万円を超える場合は確定申告を行い、副業で得た収入分を別途納税しなければなりません。仮に申告漏れが発覚した場合、悪質な脱税行為と見なされて追徴課税が発生する可能性も。

会社員の方にとっては馴染みのない作業ではありますが、副業を始める場合は日々の収支を帳簿付けし、期日までに確定申告をして納税を済ませましょう。

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エンジニアの副業はITコンサルやDXコンサルもおすすめ

エンジニアの副業はITコンサルやDXコンサルもおすすめ(見出し下画像)

エンジニアの方が副業に取り組む際には、本業の経験を活かせる仕事を選ぶのがおすすめです。

小規模な開発案件の受注やプログラミングスクールの講師のほか、ITコンサルやDXコンサルという選択肢もあります。平日の夜や休日など、限られた時間で結果を出さなければなりませんが、短期間に収入を増やして本業以外の人脈が広がったり、新しい経験ができたりといったメリットがあります。

本記事で紹介した内容を参考にしつつ、スキルや経験を活かせる副業に取り組んでキャリアアップに繋げましょう。

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