人事コンサルタントとは、企業が抱える人事・組織分野の課題を解決へと導く仕事です。

「人事コンサルタントって具体的にどんな仕事をするの?」
「人事コンサルタントの年収は?」
「人事コンサルタントになるのに資格は必要?」

といった疑問を抱く方もいるでしょう。

今回は、人事コンサルタントとはどのような仕事なのかを詳しくご紹介します。本記事を読めば、人事コンサルタントの仕事内容や年収、やりがいを知ることが可能です。

人事コンサルタントについて詳しく知りたい方は、ぜひチェックしてみてください。

人事コンサルタントとは?

人事コンサルタントとは、人事領域に特化したコンサルタントのことを指します。企業の経営課題を分析・支援する職業を「経営コンサルタント」と呼びますが、人事コンサルタントはその中のひとつです。

人事コンサルタントとはどのような仕事なのか、詳しくご紹介します。

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人事コンサルタントの仕事内容

人事コンサルタントは、クライアントが抱える人事・組織分野の課題を分析し、解決策を提案、実行の支援を行う仕事です。

しかし、ひと口に人事・組織分野と言っても企業が抱える課題は様々。そこで、クライアントの悩みに応えるために各分野ごとに専門的なコンサルティングを行います。

人事コンサルタントの専門分野は、大きく4種類に分類されます。

  • 人事組織コンサルティング
  • 採用コンサルティング
  • 人材育成・研修コンサルティング
  • グローバル人事コンサルティング

ひとつずつ見ていきましょう。

人事組織コンサルティング

人事組織コンサルティングは、人事の評価制度や報酬制度の見直しや組織構造の改革を行う仕事です。

例えば、以下のような課題に対する提案を行います。

  • 人事評価が正当に行われていないことに対する不満や、それに伴う離職率の上昇についての対処法
  • 企業の体質を改革したいときや、新事業を立ち上げる際の適正な組織構成の考案

また、人事制度を新たに構築したいときにも助言を行います。主に、企業の人事制度に携わることの多い仕事だといえるでしょう。

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採用コンサルティング

採用コンサルティングは、採用活動の支援を行い必要な人材を確保するサポートをする仕事です。人事担当者が少ないクライアントを受け持った場合は、実際に採用活動を行う場合もあります。

具体的には、以下のような業務内容があります。

  • 企業にとってどのような人材が必要かを策定し、採用手法を提案
  • 書類選考や面接を行い、採用業務を代行する

採用コンサルティングは、採用業務をサポートすることで企業にとって最適な人材を確保し、クライアントの組織力を底上げするのが目的です。

人材育成・研修コンサルティング

人材育成・研修コンサルティングは、社員の能力を高めるための研修プログラムを考案したり教育体系を再構築したりする、人材を育成することに注力した仕事です。

主な仕事内容としては、以下のようなものがあります。

  • 新入社員や管理職、経営陣など階層別の研修内容の提案
  • 企業理念の教授や、仕事に対する姿勢や考え方の教育

人材育成・研修コンサルティングは、人材を育成することで企業の成長を促すのが目的です。人を育てることを目的としたコンサルティングなので、中長期的な目で企画立案していかなければなりません。

グローバル人事コンサルティング

グローバル人事コンサルティングは、グローバルな人材育成やグローバル視点の人事制度を提案する仕事です。

例えば、以下のような業務内容があります。

  • グローバルに活躍できる人材を育成するプログラムの提案
  • 外国人人材が抱える評価や報酬の仕組みへの不満に対応できるグローバル目線の人事制度の提案

グローバル人事コンサルティングは、外国人人材を相手にするケースが多い仕事です。国際的な考え方の相違や言葉の壁を乗り越え、いかに良好な関係が築けるかを課題としています。

人事コンサルタントの仕事は激務といわれている

「人事コンサルは激務」と言われるのは、「人事や組織に関する戦略は企業にとって最重要項目として扱われる」からです。守秘義務やコンプライアンスを遵守することを大前提に、結果を残さなければなりません。

ときには、優秀な経営者や役員に向かってプレゼンしなければならないことや、提案内容に意見されることもあるでしょう。クライアントに納得してもらうためにも、常に勉強しながら自身の情報やスキルをアップデートしていく必要があります。

また、複数のクライアントを掛け持ちしている場合は、スケジュールが過密になったり休日返上で働かなければならなくなったりする場合もあるかもしれません。人事コンサルタントを志す以上は、激務であることは頭に入れておくべきでしょう。

人事コンサルタントのやりがいと魅力とは?

人事コンサルタントは激務と紹介しましたが、その分やりがいはひとしおです。続いては、人事コンサルタントのやりがいと魅力について解説します。

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企業に貢献できる

人事コンサルタントは、企業が抱える人事分野の悩みに応え「企業に貢献できている」と実感できるのが魅力です。企業自体の業績があがったり従業員のモチベーションがあがっているのを肌で感じることができたりしたとき、人事コンサルタントとしての大きなやりがいを感じることでしょう。

深く企業と関わる人事コンサルタントは、人柄や業務に対する姿勢が評価されることもあります。結果や人柄で評価を受け、クライアントとの信頼関係が築ければ「ぜひあなたにお願いしたい」と指名されることも。信頼と実績が実感できれば、より人事コンサルタントの仕事に誇りを持って取り組めるでしょう。

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多くの人と関わりながら仕事ができる

多くの人と関わりながら仕事ができるのも、人事コンサルタントの魅力のひとつです。クライアントや従業員はもちろん、経営者やグローバルに活躍している人と関わることもあるでしょう。

多くの意見に耳を傾け様々な価値観を知ることは、やがてコンサルティングの業務に活きてきます。また、あらゆる知識が身に付き、ビジネスマインドやライフスタイルを見つめ直す契機にもなるかもしれません。

クライアントごとに仕事内容や関わる人が変わるのもコンサルティングの仕事ならでは。最善の案を考えて行動しなければならない責任感はありますが、常に新鮮な気持ちで働けるのも大きな魅力といえるでしょう。

キャリアパスが広がりキャリアアップが見込める

人事コンサルタントとしての経験は、様々な領域に活きてくるものです。そのため、人事コンサルタントとしての経験を積めば、多くのキャリアパスの道が拓けます。

具体的には、以下のようなキャリア構築のパターンがあります。

  • 経営戦略や財務など他の領域のコンサルタントへの転職
  • 自身で起業しフリーコンサルタントとして働く
  • 専業会社の人事分野へ移る
  • 人材エージェントへの転職

先述した通り、人事コンサルタントは多くの人と関わる仕事です。そのため、業務の間に伝手や人脈が広がることもあるでしょう。実績がついていたり信頼関係が築けていたりすれば、高い水準での転職が可能になりキャリアアップに繋がる場合もあります。

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人事コンサルタントの年収は?

人事コンサルタントの平均年収は約600万円です。日本の平均給与が461万円とされているため、給与は高い傾向にあると言えるでしょう。

具体的には、大手コンサルタントファームに入社後、約3年程度までは年収500~700万円前後。5年目以降で1,000万円前後となるケースが多いと言われています。また、プロジェクトチームのリーダーやマネージャーを任されることになれば年収はどんどん上昇します。

参考:戦略・会計・人事系コンサルタント|マイナビAGENT
参考:平均給与|国税庁

引用:人事コンサルタントの年収は?|PASONA公式サイトより引用

とはいえ、年収は所属するコンサルティングファームに準拠して変動します。

上述した金額は、大手コンサルティングファームで勤務していると仮定した場合の金額です。中小企業に特化したコンサルティングファームでの勤務を想定する場合は、上記の金額から1~2割減額した金額を目安に考えておくと良いでしょう。

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人事コンサルタントが向いている人とは?

難易度が高いと言われる人事コンサルタントの仕事ですが、実は適正のある人には以下のような共通点があります。

  • 論理的思考力がある
  • 人の話をよく聞ける
  • プレゼンテーション能力が高い
  • メンタルが強く体力がある

詳しくご紹介しましょう。

論理的思考力がある

人事コンサルタントは「困難なことを理解して、解決できる力」が求められます。

人事コンサルタントは企業の問題点を見つけ出し、的確な解決策を提案していかなければなりません。そのため、曖昧な状態で物事を判断したり、思い付きで行動したりするようなことは厳禁です。

広い視野で「なぜこのような結果になるのか」を判断し、明確な理由を付けてクライアントに提案ができる論理的思考力がある方は、人事コンサルタントに向いています。

話を聞くのが上手い

人事コンサルタントの仕事のひとつに「企業の問題点を見つける」というものがあります。問題の本質を見抜くためにも、「相手の話を上手に聞き、いかに本音を聞きだせるか」が問われてきます。

話を聞く相手は、従業員から経営者まで様々です。威圧的な姿勢や冷淡な態度で面談に臨んでも、誰も本音を伝えてはくれないでしょう。相手が誰であっても、気持ちに寄り添いながら真摯な姿勢で話を聞く「聞き上手」な人は人事コンサルタントに向いているといえます。

プレゼンテーション能力が高い

人事コンサルタントの仕事が成功するかどうかは、プレゼンテーション能力次第といっても過言ではありません。

人事コンサルタントは、企業が抱える人事問題に対しての解決策を提案し、実行するのが仕事です。しかし、実行に移すには従業員の協力が不可欠。企業全体で政策を遂行するためには、自身の考えや政策意図を従業員に理解してもらう必要があります。

そのため、どこの部署の従業員に説明しても理解できるよう分かりやすい言葉で簡潔に伝える「プレゼンテーション能力」が重要視されるのです。

メンタルが強く体力がある

人事コンサルタントには、強靭なメンタルと体力が求められます。コンサルタント自体が結果を求められる仕事のため、プレッシャーが大きいというのも理由のひとつですが、人事コンサルタントは人に関わる分野なので特に精神的に堪える場面が多いと想定されます。

また、情報収集や資料作り、対策方法の考案などをプロジェクト終了まで考え抜かなければならないのもコンサルタントならでは。業務時間外でもやるべきことが多く、体力がなければ最後まで完走するのは難しいでしょう。

人事コンサルタントに必要な資格はある?

人事コンサルタントになるのに必須の資格はありません。若い人材の場合は、資格の有無よりも先述したようなスキルや適正を持ち合わせているかが重視されます。また、転職の場合は事業会社での人事経験や英語力が問われる場合があります。

もちろん、資格は一生ものなので持っていて損はありません。以下の資格はキャリアアップやキャリアパスを広げるときに有利になるので、資格取得を考えている方は参考にしてみてください。

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  • キャリアコンサルタント
    人材育成・教育に特化した国家資格
    →従業員の教育プログラムの構築や人事評価制度の構築に活かされる
  • 社会保険労務士
    給料や労働環境、社会保険など「労務」に関するプロフェッショナルとして指導や相談を行うことを認める資格
    →人事評価制度構築や人材育成プログラムの構築に役立つ
  • 中小企業診断士
    中小企業の経営課題の診断・助言を行う専門家としての資格
    →総務・経営コンサルタントへの転職に有利

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人事コンサルタントになるには?転職事情は?

人事コンサルタントになるのに、学歴や資格は必要ありません。ただし、専門的な知識が必要とされる難しい職業であるため、多くのコンサルティングファームでは最終学歴を大卒以上と設定しています。

また、一般企業での人事部や人材エージェントで経験を積んでから転職する人が多いのも特徴です。即戦力が求められる業界なので、中途採用者は重宝される傾向にあります。

参考:人事コンサルタント|厚生労働省 職業情報提供サイト

コンサルタント業界は人材不足・未経験でも転職可能

人事コンサルタントは、未経験でも転職できます。コンサルティング業界が人手不足だからという理由もありますが、人事コンサルタントは経験よりも適正やスキルが重視されるからです。

ただし、年齢が上がれば上がるほど、求められる経験値も上昇する傾向にあるので注意が必要。未経験で人事コンサルタントに転職したいと考えるならば、早めに行動するのが吉でしょう。

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人事コンサルタントに将来性はある?

人事コンサルタントの市場規模は、これからも拡大していくと考えられます。そのため、人事コンサルタントの将来性は「大いにある」といえるでしょう。

理由のひとつに、2019年に発生した新型コロナウイルスの影響があります。コロナ禍により、働き方は大きく変わりました。日常業務の効率化やコスト削減を求める企業が増えたことにより、人事コンサルタントの需要はますます高まっています。

一方で、競争が激化しているのも事実です。人事コンサルタントで成功していくには、周りとの差別化を図らなければなりません。常に向上心を持ち、自身のスキルアップのために努力できる人であれば、「優秀な人事コンサルタント」として長く重宝されていくことでしょう。

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人事コンサルタントは激務でもやりがいのある仕事

今回は人事コンサルタントについて解説しました。内容を軽くおさらいしておきましょう。

  • 企業が抱える人事・組織分野の課題を解決に導く仕事
  • 激務だが企業に貢献できるやりがいのある仕事
  • 人事コンサルタントの平均年収は約600万円
  • 人事コンサルタントになるのに必要な資格はない
  • 未経験でも転職可能
  • 人事コンサルタントは将来性のある仕事

人事コンサルタントは、求められるものが大きく難易度の高い職業です。一方、企業に貢献できるやりがいのある仕事でもあります。ますます需要が高まるであろう人事コンサルタントに、ぜひ今後も注目してみてください。