企業が直面する経営課題には様々なものがありますが、中には自社内だけでは解消しきれない課題も少なくありません。そこで検討されるのが「経営コンサルタントの導入」です。
経営コンサルタントへの依頼を検討する際に気になるのが、どのコンサルティングファームに依頼するか、という点でしょう。本記事では、最新の情報をもとにコンサルティングファームを比較検討し、おすすめのコンサルファームを5社に絞って紹介します。
他にも、気になる経営コンサルタントの年収や業務内容なども踏まえて解説するので、経営コンサルタントという職業に関する疑問も解消できるでしょう。
そもそも経営コンサルティングとは?
経営コンサルティングとはどのようなサービスなのでしょうか。まずは経営コンサルタントの概要について見ていきます。
企業の経営課題を解消する専門サービス
企業は様々な経営課題に直面し、それらを解決しながら事業を展開していきます。中には課題解決が難解だったり、課題が複雑で自社内のノウハウやリソースだけでは解消できないケースも考えられるでしょう。
企業がこういった状況に陥った場合、頼れる経営の専門家として、経営コンサルタントを活用します。
派遣された経営コンサルタントは、クライアント企業が抱える課題をヒアリングや調査によって明確にし、課題の本質に迫るべく、分析や仮説検証を実施。クライアント企業の意向も踏まえ、最適な解決策を提案・実行するのが主な業務内容です。
しかし、中には経営コンサルタント一人では解決できない問題に直面するケースも。例えばA株式会社が「売上が少ない」という課題を抱えていたとしましょう。原因を探った結果「人材の業務遂行能力が低い」ことが原因だ、という結論に至ったとします。
この場合、人事の専門家である人事コンサルタントや業務プロセスの専門家である業務コンサルタント、ITツールの導入やDX化を推進するITコンサルタントやDXコンサルタントなど、複数の専門家とチームを組んでプロジェクトを進める可能性があるのです。
このように、経営上で生じるあらゆる課題を解消するのが経営コンサルタントの役割と言えます。
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利用するのは中小企業がメイン
経営コンサルタントを利用するクライアント企業の多くは中小企業。そもそも日本に存在する企業のうち、約99%が中小企業であることを鑑みれば、不思議なことではありません。
また、中小企業はノウハウやリソースが不足しやすく、経営上の課題を解決するのに充分なノウハウを有していなかったり、人材や資金などの経営資源が足りていなかったりすることも少なくないのです。
その点、経営コンサルタントは高いパフォーマンスが期待できる経営の専門家です。
経営に関する知見はもちろん、マネジメントや周囲と協調しつつ業務を遂行するコミュニケーション能力も身に付けており、経営コンサルタントの直下に自社の社員でチームを作り、共同で課題解決に取り組むケースも少なくありません。
ノウハウはコンサルタントでカバーでき、資金の面でも新たな人材を獲得するのに比べて安く抑えられるため、大幅なコストカットにつながります。経営コンサルタントを導入すれば、ノウハウやリソースが不足していても経営課題の解決が期待できるでしょう。
このような理由から、中小企業に向けてコンサルティングサービスを実施するファームは数多く存在します。
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経営コンサルティングを提供するのはどんな企業?
経営コンサルタントは経営コンサルティングを提供する専門家。そして経営コンサルタントを抱えているのが「コンサルティングファーム」です。有名なところでは、デロイトトーマツコンサルティングやアクセンチュアといった企業がファームに当たります。
ここでは、経営コンサルタントへの依頼を検討している方に向け、依頼先として検討したい「コンサルティングファーム」と「フリーコンサルタント」の違いやそれぞれの特徴について、詳しく紹介します。
経営コンサルタントを抱える「コンサルティングファーム」
多数の経営コンサルタントを抱え、戦略コンサルティングや経営コンサルティングを提供するのがコンサルティングファームです。
ファームにコンサルティングを依頼する場合は自社とファームの間で契約を締結し、ファームから選任されたコンサルタントが自社へ派遣されたり、リモートで分析・助言をしたりします。具体的なサービス内容は契約前の打ち合わせや契約時に確認しておきましょう。
コンサルティングファームに依頼すると、課題の内容に対して最適なコンサルタントをあてがってくれるため、自社で課題の分析をしたり、どんな専門家が必要なのか検討したりする必要がありません。
自社の課題について解像度が低く、また解決の糸口が見えていない場合はコンサルティングファームへ依頼するのが良いでしょう。後述するフリーコンサルタントに依頼するよりも費用は高くなりやすいですが、大手ファームであればサービスの質は高く、後々トラブルになりにくいというメリットもあります。
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独立した経験豊富なコンサル「フリーコンサルタント」
個人事業主として活動しているフリーランスの経営コンサルタントへ依頼するのも一つの手段です。こうしたコンサルタントはフリーコンサルタントと呼ばれ、各分野の専門家がファームから独立し、自身でコンサルティング事業を実施しています。
ファームに依頼するよりも費用は抑えやすいですが、ファームに比べて在籍している人数が少なく(一人のことも多い)、「そのコンサルタントが自社にとって本当に適任なのか」を判別しにくい点がネックです。
あらかじめ自社の課題が明確になっており、どのようなスキルを持った専門家がいれば良いのかが分かっている場合は、フリーコンサルタントを導入してみるのも良いでしょう。ただし、実績やスキルに関しては事前に入念な調査をしておくことをおすすめします。
中には無資格で開業できることを逆手にとり、悪質なコンサルティングサービスを提供するフリーコンサルタントも存在するため、以下の記事を参考にしつつフリーコンサルタントの比較検討を進めてみると良いでしょう。
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経営コンサルタントの収入は本当に高いのか?
ここからは、気になる経営コンサルタントの収入について見ていきます。
引用:https://www.manpowergroup.jp/column/career/consultant-salary.html
引用した上の図表を見てみると、経営コンサルタントの年収は平均年収を大きく上回っていることが分かるでしょう。
また、コンサルタントの収入は「役職」によって決まることが一般的で、単独でコンサルティングを実施できる「コンサルタント」になれば年収が1,000万円を超えることも少なくありません。
しかし、「経営コンサルタントの年収額が高いか安いか」は、コンサルティングファームの社員として働いているのか、フリーコンサルタントとして働いているのかによって大きく異なります。また、いくらを「高い」とするのかも曖昧です。
例えば、フリーコンサルタントであれば受ける案件や報酬額、業務フローを自分で設定できるため、自分の欲しい金額を、働きたい時間だけ働いて稼げます。一方のファームでは、社員として働くため自由に動けないことも多く、収入もある程度は固定されてしまうでしょう。
自分が望む金額を、望む働き方で手に入れられれば、ワークライフバランスの向上にも繋がります。自身の望むキャリアに合わせてピッタリな働き方を模索してみましょう。
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激務になりやすい?コンサルタントの業務内容
経営コンサルタントの業務は、よく「激務」と言われます。その理由は多岐にわたりますが、最も大きな理由としては「責任の重い業務」や「業務内容のレベルの高さ」、「業務量の多さ」などが当てはまるでしょう。
責任が重い
経営に携わるため、経営コンサルタントが関わる業務の責任の重さは言うまでもありません。クライアントからのプレッシャーを常に感じつつ、高いパフォーマンスを維持しなければならないため、コンサルタントが背負う精神的な厳しさは想像に難くないでしょう。
業務内容のレベルの高さ
業務内容のレベルの高さも激務と言われる理由の一因です。コンサルタントが行う業務の多くは、論理的思考を用いた仮説検証や企業重役との打ち合わせ、社員のマネジメントといったもの。
仮説検証が誤っていては元も子もありませんが、重役との打ち合わせで魅力的な提案や報告が出来なければ不信感を与えてしまいますし、社内のメンバーと協調して業務を行えなければ、経営課題の解決は難しくなります。
業務量の多さ
経営コンサルタントは勘や経験値だけでコンサルティングを実施するわけではなく、企業の実態や財務状況を全て踏まえたうえで最適なプランを提案します。つまり、実際に手を動かしてデータを計測したり、分析したりする時間が非常に長いのです。
単純に業務量が多いことから、激務と言われている面もあるでしょう。
おすすめのコンサルティングファーム5選
ここからは、実際にコンサルティングファームを探している方に向けて、おすすめのコンサルティングファームを5つご紹介します。中小企業向けの経営コンサルティングに定評のある企業を厳選しているので、ぜひ参考にしつつ読み進めてみてください。
1.山田コンサルティング
ファイナンシャルの専門家が集まって設立した「山田コンサルティング」は、数多くのクライアントに経営コンサルティングを提供するコンサルティングファーム。
もともとの強みであった財務会計コンサルティングを基軸として、在籍する会計士や税理士、メガバンク出身者の知見も踏まえたコンサルティングサービスが人気を博しています。多様化する企業の経営課題を解決すべく、各分野の専門家やコンサルタントが多数在籍。
提供するコンサルティングサービスの中には事業・企業の再生や、ニーズが高まっている事業承継、M&Aといった分野にも対応しており、多角的な視点でのコンサルティングが期待できます。
また、国内外に20拠点を有し、グローバル化を見据える企業の事業推進や経営戦略の立案をサポートしているのも特徴的です。
2.ジェムコ日本経営
1968年に創業した老舗の経営コンサルティングファーム、ジェムコ日本経営。製造業をメインの領域とし、50年以上もの間、日本の製造業を支えています。
これまでのコンサルティング実績によって蓄積したノウハウを活かし、製造現場を知り尽くしたコンサルタントが成果にこだわったサービスを提供。豊富な実績と厚い信頼から数多くのクライアントを抱えているのも頷けます。
顧客数は業界でもトップクラスの4500社超え。近年注目を集めている「DX推進」や、少子高齢時代に突入した日本に欠かせない「人材育成」といった分野も含め、未来を見据えたコンサルティングサービスを実施しているのが特徴です。
3.船井総研
5,000社以上のクライアント企業に経営コンサルティングを実施してきたコンサルティングファーム、船井総研。国内の独立系ファームとして独自のポジションを確立しながら存在感を放つ同社では「経営者を対象としたコンサルティング」で成果を出し続けています。
経営コンサルティングの中には、経営者に向き合うというよりも、実際の業務を通して経営課題を解決することに注力するサービスも少なくありません。しかし、船井総研は徹底した経営者への伴走を行い、経営者と目線を合わせながらコンサルティングを実行します。
こうしたスタンスで伴走してくれるコンサルタントが、中小企業の経営者にとってどれほどの価値を生むかは想像に難くありません。同じ目線だからこそ生まれる高いパフォーマンスや得られる成果が、幅広い領域で支持され続ける船井総研のポジションを支えています。
4.フロンティア・マネジメント
経営者視点を重視しつつ、企業価値を高めることを目的としたコンサルティングファーム、フロンティア・マネジメント。
ビジネスはもちろん、金融や会計、法律に至るまで、各分野のエキスパートが在籍している同社では、プロジェクトごとに専門家が結集したチームを作成し、事業の成長や事業再生をサポート。こうしたワンストップ型でのコンサルティングが強みと言えるでしょう。
経営コンサルタントだけでなく、各分野の専門家の意見も踏まえて解決策を模索・提案するため、広い視野と深い知見から導き出される、クオリティの高いソリューションが期待できます。
5.タナベ経営
長く日本の中小企業を支えてきたコンサルファーム、タナベ経営。経営コンサルティングサービスを基軸としつつ、同社ではプロジェクトごとに専門家をアサインして最適なチームを構築・導入する「チームコンサルティング」をコンセプトとしています。
中小企業が抱える様々な経営課題に対し、迅速かつ効果的な解決策を導き出すためには、複数の専門家の知見を組み合わせながら最適解を模索することが重要です。
複数のコンサルタントで結成されたチームが事業戦略の立案から経営デザイン、マーケティング支援に至るまで幅広くサービスを提供します。経営の上流から下流までワンストップでサポートしてもらえるため、本質的な経営力の向上や企業体力の底上げが期待できるでしょう。
課題解決では経営コンサルタントの導入も視野に入れて
経営コンサルタントは中小企業が抱える複雑な経営課題に対し、最適な解決策を提案・実行する専門職です。自社内だけでは課題解決が難しかったり、時間がかかったりする場合は、経営コンサルタントの導入も検討してみると良いでしょう。
本記事で紹介したコンサルティングファームを参考にしつつ、自社と相性の良さそうな依頼先を探してみることをおすすめします。
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